捨てがたき人々

イントロダクション

「生きるのに飽きちゃったな…」

金も仕事もなく、絶望と鬱屈を抱え、風に吹かれるゴミクズのように日々をやり過ごす男・狸穴勇介。人生最後の場所とばかりに故郷へふらりと戻った彼は、顏にアザのある女・岡辺京子と出会う。衝動にまかせたセックスから始まる、どうしようもないふたりの縁と絆。それでも勇介の生活にはやがて変化が訪れるのだが…。人間の根源を衝き動かす金欲、食欲、性欲。必死に求めても逃げていく愛や幸福。生きるって、いったい何なのか?

原作は、鬼才・ジョージ秋山。金の亡者を主人公にした「銭ゲバ」、飢餓から我が子の肉を食らう「アシュラ」等、デビュー以来、人間の善悪やモラルを問う姿勢を貫き、社会問題になるほど露悪的描写の漫画を描き続ける唯一無二な存在だ。監督は、榊英雄。俳優として映画やテレビなど幅広く活動し続けながらも、様々な視点から人間ドラマを世に送り出している。

主演は大森南朋。繊細な演技力と大人の色気を併せ持つ彼が、底辺を這う男の剥き出しの魂を全身で体現し新境地を開く。ヒロインには三輪ひとみ。過酷な運命に翻弄されながらも善良さを失うまいとする女を、惜しげもなく裸体を披露しつつ、体当たりで衝撃の熱演をみせた。そして美保純が、熟女のエロスと経験豊かな人間の滋味を醸し出す。ほか田口トモロヲ、滝藤賢一、荒戸源次郎、寺島進、佐藤蛾次郎、内田慈らが脇を固め、五島列島の地に荒削りながらも骨太な人間群像を描き上げた。

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